泊昭雄写真集展「PRINT lot more」
ひとがのこすもの
きっとあなたは もう カセットテープを聴かない
VHSのビデオを 観ることもできない
フロッピーディスクのことは 忘れただろう
パソコンは もう 何台目のものだろう
そのスマートフォンも そろそろ 買い替えるのだろう
5年前に届いた あのメールは どこにいったのだろう
最後に 手紙をポストに入れたのは いつだったろう
あなたが きょう撮った写真は 日々のかけらたちは
このさき どうするのだろう
銀色の円盤 あるいは 小さなスティック
あるいは どこかの雲に 保存するにしても
これからずっと たとえば 20年後でも
それらが ちゃんと物持ちよく 保存されていると
信じられるあなたは 幸せだろう
いつか ニューヨークの小さなギャラリーで あなたは
1950年代のモノクロ写真を 買ったじゃないか
パリでは もっと古い 絵葉書も
20世紀に生まれ育ったあなたの
あのアルバムは いまどこに 仕舞ってあるだろう
家族 友だち あるいは 初恋のひと
その写真を だれも 捨てたりしないだろう
だれも 捨てることはできないだろう
その記憶の プリントを
数々の広告写真を手掛ける写真家・泊昭雄による写真集展「PRINT lot more」を3月10日より山本写真機店にて開催いたします。
ゼラチンシルバーセッションメンバーでもある泊氏が、大判ネガフィルムで撮影し、こだわり抜いてプリントされた作品は必見です。期間中は同タイトルの写真集も販売いたします。
ぜひ足をお運びください。
泊昭雄写真集展「PRINT lot more」
会期:2018年3月10日(土)〜18日(日)10:00〜19:00(日曜日は18:00)
場所:山本写真機店
泊昭雄
1955年鹿児島県生まれ。大阪で育つ。1975年にインテリアスタイリスト・井上雄史氏の助手を3年間務めたのち1978年、写真家・浅井康弘氏の元で写真を学ぶ。1981年浅井氏の元を卒業後、最初に依頼を受けた仕事がインテリアスタイリストであったことがきっかけでスタイリストとして独立。主な仕事はYAMAHA、松下キッチン、SHARP、SONYなどのメーカーポスターやSPなど。1992年、並行して写真の仕事も始めていたこともあり、その比重も大きかったことで写真家へ転身。主な仕事として、ANA、INAX、富士フィルム、高橋酒造「しろ」、タカキベーカリー、日本コカ・コーラ「綾鷹」、東芝環境広告、トンボ鉛筆、クラレ、YAZAKIなど。2001年、東京・南青山にギャラリーWALLを設立し、ギャラリーの内装をはじめ様々なアーティストの展示や企画展を行う。同ギャラリーを出版元としてこれまでに6冊の作品集を刊行。また、自身がクリエイティブディレクターを務めた不定期刊行誌『hinism』を2004年に創刊し、この雑誌においてADC制作者賞を受賞した。 のちに、モノクロ刊行誌『nagare』も発行。いずれも現在は休刊しているが、時を経てもなお色褪せない作品となった。2010年~2012年の3年間、金沢21世紀美術館で毎秋に企画された『「生活工芸」展』のコンセプトブック撮影に携わる。2011年、ギャラリーWALLを渋谷区桜丘町へ移転。
主な賞歴
東京ADC賞制作者賞
ニューヨークADC賞銀賞
準朝日広告賞
主な出版
2002「カワタレ」WALL Publishing
「オモムロニ」WALL Publishing
2004「フウロウ」WALL Publishing