泊昭雄写真展「豊島の空気」
海風を浴びて、島に降り立つ。
そこは山風と海風がなにか
懐かしいにおいと、空気が身にまとわる。
島の人に目を合わす、
「よく来たね」耳に馴染む言葉、そこに笑顔と気配、
少しの空き地も無駄なく野花達が咲く、
側には幾つもの野菜にお婆が手入れをする姿、
左手に海を視ながら山の方へ、
棚田にお爺達が檀山の湧き水を使い耕し稲を植える、
そう、お爺お婆の動きでやっと実になる、
そこにあらされた猪の痕跡
「またかよ」と、声を荒らげる。
白浪が立てば小魚しか捕れないと
つぶやきながら網をしまう、
自然には勝てねーよと港に立つ姿、
オリーブの木、みかんの木、レモンの木たちも
充分な春夏秋冬の風雨に耐えて太陽を友にする、
この島に似合う、そんな動き方をしたくなる、
歩こう、豊かにこの島を。
L. A. tomari
泊昭雄さんの最新写真集「豊島の空気」。一年かけて撮りおろした288Pのボリュームの中に、豊島の日常風景やアート、四季の移ろいや島民たちとの関わりなど、まさに豊島の空気を感じられる一冊です。その発売を記念してヤマカメでも写真展を開催いたします。
期間中は写真集やプリントも販売。展示初日は泊さんも在廊、トークイベントも開催いたします。ぜひ足をお運びください。
泊昭雄写真集展「豊島の空気」
会期:2019年10月12日(土)〜19日(土)10:00〜19:00(日曜日は18:00)
場所:GRAFTO(山本写真機店内)
「豊島の空気」出版記念トークイベント
日時:2019年10月12日(土)14:00〜
会費:2,000円
定員:30名
場所:GRAFTO(山本写真機店内)
泊昭雄
1955年鹿児島県生まれ。大阪で育つ。1975年にインテリアスタイリスト・井上雄史氏の助手を3年間務めたのち1978年、写真家・浅井康弘氏の元で写真を学ぶ。1981年浅井氏の元を卒業後、最初に依頼を受けた仕事がインテリアスタイリストであったことがきっかけでスタイリストとして独立。主な仕事はYAMAHA、松下キッチン、SHARP、SONYなどのメーカーポスターやSPなど。1992年、並行して写真の仕事も始めていたこともあり、その比重も大きかったことで写真家へ転身。主な仕事として、ANA、INAX、富士フィルム、高橋酒造「しろ」、タカキベーカリー、日本コカ・コーラ「綾鷹」、東芝環境広告、トンボ鉛筆、クラレ、YAZAKIなど。2001年、東京・南青山にギャラリーWALLを設立し、ギャラリーの内装をはじめ様々なアーティストの展示や企画展を行う。同ギャラリーを出版元としてこれまでに6冊の作品集を刊行。また、自身がクリエイティブディレクターを務めた不定期刊行誌『hinism』を2004年に創刊し、この雑誌においてADC制作者賞を受賞した。 のちに、モノクロ刊行誌『nagare』も発行。いずれも現在は休刊しているが、時を経てもなお色褪せない作品となった。2010年~2012年の3年間、金沢21世紀美術館で毎秋に企画された『「生活工芸」展』のコンセプトブック撮影に携わる。2011年、ギャラリーWALLを渋谷区桜丘町へ移転。
主な賞歴
東京ADC賞制作者賞
ニューヨークADC賞銀賞
準朝日広告賞
主な出版
2002「カワタレ」WALL Publishing
「オモムロニ」WALL Publishing
2004「フウロウ」WALL Publishing